ゆらゆらと軽やかにスイングする小さな一輪挿し。口が狭いので花が留まりやすく、気軽にさりげなく季節の彩りをしつらえることができます。
自然の万物に寄り添いながら生きてきた日本の人は、住まいの中にも美しい自然を取り入れようとしてきました。花を生け室内の各所にしつらえることもそのひとつです。独自に発展した日本の花生けの価値観は、花を生けることは花を「生かす」ことであり、野山に咲くありのままの花の姿を理想として、そこに美しさを見出すという理念に基づいています。華やかに作り込む西洋のフラワーアレンジメントに対して、自然な佇まいと間の美しさを表現するのが日本の伝統的な花生けです。