宙吹きで成形したガラスにグラインダーをかけ、丁寧に削りのテクスチャーを刻んでいます。氷塊のような凛とした姿は、花を生けなくても確かな存在感を放っています。
縦に一本ずつラインを刻んだり、横方向に細く面を作ったり、全体をランダムに粗く削ったりして、いろいろなテクスチャーを作っています。目の粗いグラインダーから段階的に細かいものに変えて、ひとつずつ時間をかけて丁寧に整えてゆきます。真夏には気温五十度を超える灼熱のガラス工房で生み出されたガラスが、削りを加えることで氷塊のような凛とした存在感に変わります。その彫刻のような姿は力強くも繊細で、一輪の小さな野花も優美に受け止めます。